「ハーフマラソンに挑戦したいけど、どんな練習をしていいのか分からない…」
ランニング初心者の方で、そんな悩みを抱えている人はいませんか?
この記事ではランニング初心者の方でも、3ヶ月でハーフマラソンを完走できる方法について、練習メニューを中心に詳しく解説していきます。
〜前提知識〜
ハーフマラソンの距離は、フルマラソン(42.195km)の半分である「21.0975km」。
“フル”より完走しやすいとは言え、練習せずに走り切れるほど簡単な距離ではありません。
そのため市民ランナーの方とって、「丁度いい」やりがいを感じられる、人気の高い種目と言えます。
- 初めてハーフマラソンに挑戦する方
- ハーフマラソンを歩かずに完走したい方
- ハーフマラソンの「大会」の選び方
- 完走するための「走力」の目安
- 3ヶ月間の「練習メニュー」
- モチベーションを上げる「コツ」
- 練習するときの「注意点」
- レース本番での「ペース配分」
元々ランニングが苦手だった自分でも、練習開始から3ヶ月でハーフマラソンを完走できた、シンプルかつ再現性の高い練習メニューを紹介しています。
「ハーフマラソンに挑戦してみたい!」という初心者ランナーの方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
ハーフマラソンの大会の選び方
ハーフマラソンを完走するためには、参加する「大会」をしっかり選ぶことが重要です。
大会選びのポイントについて、3つ紹介していきます。
ポイント①|「制限時間」をチェック
マラソン大会には、ゴールするまでの「制限時間」が設けられています。
設定の仕方は大会によって異なり、制限時間が短いほど完走に対するハードルも上がります。
初めてハーフマラソンに参加する方の場合、制限時間が「2時間30分以上」用意された大会を選ぶといいでしょう。
km/7:06(1km=7分6秒)のペースで走れば完走できるので、初心者でも安心です。
また、「関門」(※1)とよばれるチェックポイントにも注意が必要です。
「○km地点を、○時間○分以内に通過」という制限が設けられています。
※1 関門の設定方法も、大会によって違います。
大会を選ぶときは、ゴールと関門、それぞれの制限時間をチェックしておきましょう。
ポイント②|コースの「アップダウン」を確認
マラソン大会を選ぶときは、コースにアップダウン(急坂)があるかどうかを確認しましょう。
アドバイスとして、ランニング初心者の方には「坂の少ない」マラソン大会をおすすめします。
なぜならアップダウンの激しいコースは、足への負担が大きいからです。
- タイムが出にくい
- ケガのリスクの増加
といったデメリットが生じます。
なるべく平坦なコースを選ぶことで、ハーフマラソン完走の確率が高くなりますよ。
ポイント③|「申込み」は早めが大事
出場したいマラソン大会が決まったとします。
その場合、大会参加への「申込み」は早めにおこなうことが大事です。
マラソン大会の募集は、レース当日の、約3ヶ月以上前に締め切られる場合がほとんどです。
人気のある大会に関しては、締切日を迎える前に、募集定員に達することもあります。
「ハーフマラソンに挑戦したいけど、出られる大会がない…」
そうならないためにも、出場したい大会を決めたら迷わず申込んでおきましょう。
早めに申し込んでしまえば、「やるしかない!」という気持ちになり、練習に対するヤル気も出ます。
完走のために必要な「走力」の目安とは?
練習を始める前に、ハーフマラソン完走(2時間30分切り)に必要な、「走力」の目安について説明しておきます。
結論として、「km/7:00」のペースで「15km」を完走できる力があればOKです。
レース中、急にトイレに行きたくなったり、足が攣ったりすることもあります。
トラブルに備え、制限時間ギリギリのペース(km/7:06)より、少し速いペースで走れた方が安心です。
また距離に関しては、練習で15km走れていれば、ハーフマラソンを完走できるスタミナは十分に備わっていると言えるでしょう。
実際そこまで練習しなくても、難なく完走できてしまう人もいます。
しかし、ハーフマラソン完走の成功率を高めるために、「15km走」を目標に練習をおこなっておくと間違いありません。
【1ヶ月目】の練習メニュー
3ヶ月後にハーフマラソンの大会があると想定して、完走(2時間30分切り)を目指した練習メニューを紹介していきます。
ランニング初心者の方は、走ることに「慣れる」ところから始めましょう。
1ヶ月目の目標としては、ランニングで「5km完走」を目指します。
1〜2週目|まずはゆっくり2〜4km走ろう
まずは「2〜4km」の距離を「週3回」ほど走りましょう。
このとき、走るペースは気にしなくて大丈夫です。
ゆっくりとしたペースでいいので、まずはランニングを楽しみつつ、走ることを「習慣化」しましょう。
練習をおこなうときは、3日間連続して走るのではなく、1日〜2日ほど間隔を空けて走るのがポイントです。
足に疲労が溜まることを防ぎ、ケガのリスクを抑えられます。
3〜4週目|4〜6kmの距離にレベルUP
3〜4週目の練習では、走るペースを意識したトレーニングを始めていきます。
具体的には、「km/7:00」のペースで、「4〜6km」のランニングを「週3回」おこないましょう。
初心者のうちは、5km以上のランニングがなかなかキツく感じるはずです。
そのため週3回の練習のうち、4kmを2回、5〜6kmを1回走れればOKとします。
少しずつ走れる距離を伸ばし、ハーフマラソン完走への自信と実力を身につけていきましょう。
【2ヶ月目】の練習メニュー
2ヶ月目は走る距離をさらに伸ばしていきます。
目標として、「10km完走」を目指します。
5〜6週目|6〜8kmの距離を走り込もう
5〜6週目は、「km/7:00」のペースは変えないまま「6〜8km」の距離を走り込みます。
走る距離が増えた分、練習時間も長くなります。
市民ランナーの方は仕事や家事、育児などで練習時間の確保が難しい場合が多いです。
ここから先は、練習頻度を少し減らして「週2回」でもOKとします。
具体的な練習メニューは以下のとおりです。
上記のスケジュールをこなせれば、無理なく10kmを完走することができます。
うまく練習時間を確保して、トレーニングを重ねていきましょう。
7〜8週目|10kmにチャレンジ!
7〜8週目は、2ヶ月目の目標である、10km完走にチャレンジします。
練習メニューは以下のとおりです。
10kmの距離を走り切れたら、自分の成長に対する大きな自信が手に入ります。
2ヶ月間の練習の成果をぶつけましょう。
【3ヶ月目】の練習メニュー
3ヶ月目は、練習の最大目標である「15km完走」に挑みます。
1〜2ヶ月目と同様、地道に走る距離を伸ばしていきましょう。
9〜10週目|12km〜13kmの距離にレベルUP
9〜10週目の練習では、12〜13kmの距離を走ります。
練習メニューは以下のとおりです。
目標とする15km完走まであと少しです。
10km以上のランニングはキツイかもしれませんが、頑張っていきましょう。
11〜12週目|15kmに挑戦!
11〜12週目は、いよいよ「15km完走」に挑戦です。
15km走は足への負担も大きくなります。
2週間のなかで「一度だけ」実施しましょう。
練習メニューは以下のとおりです。
15km走をおこなった際、体力に余裕がある場合は、16〜17km走るのもありです。
ハーフマラソン完走へのさらなる自信が身につきます。
ここまでこれたら、もう十分にハーフマラソンを完走できる力は備わっています。
ラスト1週間は、レース本番に向けてコンディションの調整に専念しましょう。
13週目|コンディションを整える
レース1週間前となる、13週目の練習メニューについて説明します。
km/7:00のペースで、3〜5km程度のランニングを1〜2回おこなうだけでOKです。
練習量を落とすことに不安を感じる方もいるかも知れません。
しかしこれ以上練習を重ねるより、足の疲労を抜くことの方が、ハーフマラソン完走への確率は高くなります。
身体がなまらない程度に、軽めのランニングをおこない、レース本番に向けてしっかりコンディションを整えましょう。
これで準備万端です。
あとはハーフマラソンを楽しむだけです。
練習のモチベーションを上げるコツ
練習を続けるなかで、走るのがツラく感じたり、途中で挫けそうになったりすることもあると思います。
そんなときのために、練習の「モチベーション」を上げるコツを3つ紹介しておきます。
その1|「音楽」を聴く
練習のモチベーションを上げる1つ目のコツが、「音楽」を聴くことです。
特に、自分のなかでの“応援ソング”を聴いて走ることがおすすめです。
ランニング中、「疲れたし、もう歩こうかな…」と思ったとき、そこからもうひと頑張りできます。
またモチベーションUPには、音楽を「ランニングの前」に聴くのも効果的です。
- 「今日はなんだか走る気がしないな〜」
- 「走るのが面倒くさいな〜」
と思ったときに、テンションの上がる曲を聴くことで、ヤル気が出ます。
音楽を聴くと、シンプルに“飽きずに走れる”メリットもあるので、ロングランのお供にも最適です。
自分が実際に使用する、「ランニング用イヤホン」や「音楽アプリ」について詳しく書いた記事を載せておきます。
よければ参考にしてみてください。
その2|「ランニングノート」を書く
練習のモチベーションを上げる、2つ目のコツは「ランニングノート」を書くことです。
ノートに、日頃のランニングの成果を記録してみましょう。
ランニングにおける、自分の成長の変化を、実際に目で見て確認できるようになります。
それにより、ハーフマラソン完走に向かって、「着実に近づいている」という手応えが得られ、練習への意欲が増します。
「ランニングノートの詳しい書き方」についてまとめた記事もあるので、気になった方はチェックしてみてください。
その3|「ご褒美」を用意する
練習のモチベーションを上げる、3つ目のコツを紹介します。
それは練習を頑張った自分に、「ご褒美」を用意することです。
とは言え、なにも高価な物を買う必要はありません。
日常生活のなかにある、ちょっとした楽しみを見つけましょう。
参考までに、自分がよくおこなう「ご褒美」の例を紹介します。
- 練習後にコーラを一気飲みする
- 温泉や銭湯に行く
- ラーメンを食べるとき、トッピングを豪華にしてみる
- コンビニでコーヒーを買うとき、大きいサイズを選ぶ
ご褒美の方法は、それほどお金をかけなくても、工夫やアイディア次第でなんとかなります。
自分に合った「ご褒美」を利用して、練習を頑張ってみましょう。
練習中の注意点
ランニングの練習をおこなう際、必ず守ってほしい2つの注意点について説明しておきます。
「水分補給」はこまめにとることが大切
スポーツをする際、水分補給が重要なことは周知の事実だと思います。
ここで伝えたいのは、水分補給は“こまめ”にとる必要がある、ということです。
体のなかに、一度に吸収できる水分の量は、約200〜250mlほどと言われています。
そのためどんなに喉が乾いた状態でも、体のなかに吸収できる水分の量には限度があるわけです。
喉が乾いてからではなく、“乾く前”に、こまめに給水をしておくことで、効率良く体のなかに水分を蓄えられます。
目安としては、ランニング30分につき、必ず1回は水分補給をするように心がけましょう。
「足が痛い」ときは勇気をもって休む
ランニングをおこなうなかで、膝や股関節、足の裏、ふくらはぎなど、足のどこかに痛みを感じることもあると思います。
そんなときは、無理せず練習を休みましょう。
練習を休むことに不安を感じる気持ちはよく分かります。
しかし足の痛みを我慢しながら走った結果、かえって大ケガをしてしまっては、元も子もありません。
ケガの程度によっては、レース自体に参加できなくなることも、十分に考えられます。
「急がば回れ」の精神で、ときには勇気をもって休むことも大事です。
足の痛みがしっかり回復してから、練習を再開しましょう。
レース本番でのペース配分
最後に、実際にハーフマラソン(制限時間・2時間30分)を走るときのペース配分についても説明しておきます。
km/7:00の「イーブンペース」でOK
ハーフマラソンを走るときのペースは、練習どおりにkm/7:00でOKです。
その際スタートからゴールまで、一定のペースで走り続ける「イーブンペース」を心がけましょう。
イーブンペースで走るメリットは2つあります。
- ペース管理がラク(km/7:00のペースを守るだけでいいので、初心者でも実践しやすい)
- 体力を温存できる(ペース配分に頭を使わずに済むため、脳で消費するエネルギーを抑えられる)
レース後半に向け、スタミナを残すためには、あえて何も考えずに走ることも大事です。
イーブンペースを守り、ハーフマラソン完走を達成させましょう。
まとめ
この記事では、ランニング初心者の方でも「3ヶ月でハーフマラソンを完走できる方法」について詳しく解説。
再現性の高い練習メニューを中心に、さまざまなアドバイスを紹介してきました。
最後に、記事の内容を振り返ってみましょう。
- 制限時間が2時間30分以上の大会を選ぶ
- コースのアップダウンは少ない方が走りやすい
- 大会参加への申込みは、早めに済ませる
練習の時点で、km/7:00のペースで15km走れていればOK!(制限時間を2時間30分と想定)
- 1ヶ月目|ランニングの「習慣化」と、「5km」完走を目指す
- 2ヶ月目|「練習量」を増やし、「10km完走」を目指す
- 3ヶ月目|「15km完走」を目指し、ラスト一週間は「足を休める」
- 音楽を聴く(自分の中での、応援ソングを見つけよう)
- ランニングノートを書く(ノートを使って、自分の成長を実感しよう)
- 自分へのご褒美を用意する(小さな楽しみでOK)
- 水分補給は“こまめ”にとる
- 足が痛いときは、勇気をもって休む
km/7:00の「イーブンペース」で走るのがおすすめ
「ハーフマラソンに挑戦してみたい!」という方は、ぜひ記事の内容を参考に、トレーニングに励んでみてください。
「ハーフマラソン完走」ならではの、達成感や充実感を存分に味わっていきましょう!
PS.
長い距離を走る場合、足の保護のためにシューズ選びも大事になります。
クッション性や安定性を備えつつ、レースでも使える「定番ランニングシューズ」をまとめた記事を用意しています。
これから本腰を入れて、マラソンを楽しみたい方ぜひチェックしてみてください。