こんにちは、ススムです。
僕がランニングにハマったキッカケのひとつに、
マラソン大会などで
「自己ベストを更新できると、自分の成長が感じられて楽しいから」
といった理由があります。
ランニングを始めたばかりの頃は、
ジョギングをしているだけでも簡単にタイムが伸びていき、
そのたびに成長の喜びを感じては、
ますますランニングに熱中していったというわけです。
しかし、それだけでは徐々に記録が伸びなくなり、
やがて自己ベストの更新はストップしてしまいました。
そのことに対して、
当時の僕なりに大きな壁を感じ、悩んでいたことを今でもよく覚えています。
この記事を読んでくれている読者さんの中にも、
- 最近タイムが伸びない…
- もう一度、自己ベストを出して成長の喜びを感じたい
- そのために必要なトレーニング方法が知りたい
と思っているランナーの方は多いのではないでしょうか?
そんな悩みを抱えている、
ランニング初心者〜中級者の方にオススメな練習方法の
「坂ダッシュトレーニング」
について詳しく解説していきます。
坂ダッシュトレーニングとは、
その名のとおり、上り坂をダッシュする練習方法のことで、
坂の傾斜を利用しておこなう
スピード系トレーニングの一種です。
このあとの本文では、
- スピード系トレーニングで得られる3つの効果
- 上り坂を利用するメリット
- 坂ダッシュトレーニングの具体的なやり方
- おこなう際の注意点
の4つのパートに分けて、それぞれわかりやすく説明していきます。
僕は社会人になってからランニングを始めましたが、
普段の練習に坂ダッシュトレーニングを取り入れることによって、
マラソンでサブ4を達成することができたほか、
3000m走の競技においても、
なかなか12分を切れずに悩んでいたところ、
11分を切ることができました。
「もう一度自己ベストを更新して、成長の喜びを感じたい!」
という初心者〜中級者のランナーの方にオススメの内容となっていますので、
ぜひ最後まで読んでいただき、今後の練習に役立ててみてください。
1|ランニングに【スピード系トレーニング】がもたらす「3つの効果」とは?
スピード系トレーニングには、
ジョギングだけでは手に入れることが難しい
- 心肺機能の強化
- 筋力アップ
- 効率の良いフォームの習得
といった、3つの効果があります。
効果その1:「心肺機能」の強化
スピード系のトレーニングは、
ジョギング時に比べて走るスピードが速くなるため、
その分息が上がりやすく、呼吸も苦しくなります。
初めのうちはキツく感じるかもしれませんが、
繰り返し走ることによって徐々に身体が順応していき、
心肺機能の「最大酸素摂取量」を増やすことができます。
「最大酸素摂取量」は持久力に関わる重要な要素のひとつとされていて、
増えることで、速いペースのランニングにおいても呼吸がラクに感じられるようになります。
それによって、大会などのレース後半での失速がなくなり、最後までスピードを維持した状態で走りきることが可能です。
効果その2:「筋力」アップ
筋肉の中には、
「遅筋」と「速筋」
とよばれる2種類の筋繊維が存在し、それぞれ役割が異なっています。
「遅筋」は、主に負荷の軽い活動において力を発揮します。
例を挙げると、ジョギングや日常生活などです。
そのことからも、日頃から無意識のうちに鍛えられている筋肉だと言えるでしょう。
一方、「速筋」は、
瞬発的な力を生み出すことができ、
重い荷物を持ったり、ジャンプをしたりといった動作の際に必要となります。
遅筋と比べて無意識では鍛えづらい傾向にあり、
成長させるためには、意識的にトレーニングすることが大事だと言えるでしょう。
ダッシュなどのスピード系トレーニングをおこなうと、
速筋を重点的に強化することができ、
速いスピードでのランニングには欠かせない、脚部のパワーが手に入ります。
速筋を鍛えておくと、大会などのレース終盤でのラストスパートにも役立ちます。
効果その3:効率の良い「フォーム」の習得
練習の種類がジョギングだけの場合、
ゆっくりとしたペースで走ることに身体が慣れてしまい、
縮こまったフォームになりがちです。
その状態では、
いくら速く走ろうと頑張っても、
力むばかりで、思うようにスピードが出せません。
ダッシュ練習を取り入れると、
ダイナミックな身体の使い方が自然に身に付き、
スピードの出やすい効率的なフォームを習得できます。
また、ランニングの効率が高まると、
余計なエネルギーのロスがなくなり、スタミナの消費も抑えられることから、
まさに一石二鳥の効果が得られます。
スピード系のトレーニングはキツそうなイメージがあるかもしれませんが、
得られる効果を明確に理解することで、
練習のモチベーションを高く保つことができます。
そのためにも、上記の3つの効果をしっかり覚えておきましょう。
2|スピード系トレーニングに【上り坂】を利用する「メリット」とは?
次に、どうして上り坂を利用したトレーニング方法をおすすめするのかについて、
そのメリットを2つ紹介します。
メリット1:「故障のリスク」を軽減できる
スピード系トレーニングは、ジョギングに比べて膝などの関節部分への負担が大きく、
ケガの危険性が高くなってしまいます。
上り坂を利用したトレーニングは、平坦な道に比べ、
心肺機能や脚の筋肉への負荷は高いですが、
脚の関節部分への衝撃が少なく、
それにより、スピード練習をおこなう際に生じる、故障のリスクを軽減することができます。
メリット2:「気軽」にトレーニングできる
一般的に、スピード系トレーニングをおこなう際の練習場所には、
グラウンドや陸上競技場のトラックが使用される場合がほとんどです。
坂ダッシュトレーニングは、
坂道さえあればOKなので、
家の近所にグラウンドや陸上競技場がない場合や、
そのような施設が利用できない夜の時間帯においても、
時間を気にせずいつでも練習に取り組むことが可能です。
練習場所や時間に縛られることなく、自由にトレーニングがおこなえることにより、
「練習機会の損失」を防ぐことができます。
3|坂ダッシュトレーニングの【具体的なやり方】について
坂ダッシュトレーニングをおこなう際の、具体的な手順について説明していきます。
はじめに:「ちょうどいい」坂道を見つける
まずはじめに、
坂ダッシュトレーニングで必要となる、
ちょうどいい坂道を見つけましょう。
「ちょうどいい」とは、
坂の「距離」と「傾斜」が丁度良いという意味です。
坂の長さは大体80m〜120m位あれば十分です。
スマホアプリや、時計のGPS機能を使って正確に距離を測ってもいいですし、
電信柱などを目印にして大雑把に距離を決めても、
どちらでも問題ありません。
傾斜については、
ほとんど平坦と変わらなかったり、
斜度がキツ過ぎてダッシュができなかったりといった極端な坂ではなく、
ある程度の角度がついていればOKです。
坂が見つかったら試しにダッシュしてみましょう。
適度な負荷の目安としては、全力の7〜8割程度のスピードで走ってみて、
少し息が上がるぐらいが理想的です。
傾斜が少しキツく感じられたら、
その分走る距離を短くしてもいいですし、
反対に傾斜がラクに感じられたら、
走る距離を伸ばすなどの工夫をして、
自分のレベルに合わせて負荷を調整してみると良いでしょう。
1:上り坂を「ダッシュ」でのぼる
坂ダッシュトレーニングのダッシュのやり方ですが、
全力疾走ではなく、
7〜8割の力で軽やかに駆け抜けましょう。
あまり速く走ろうとしすぎると、
身体に余計な力が入ってしまい、
ランニングフォームが崩れる原因になってしまうため注意が必要です。
坂を上り終える40m〜50mほど手前から、
少しずつ呼吸や、脚の筋肉がつらく感じてくるので、
そんなときほどリラックスを心掛けてください。
2:下り坂を「ゆっくり」くだる
坂をダッシュで上り終えたら、
今度は坂をゆっくり下って、
元のスタート地点に戻りましょう。
具体的には、
ギリギリ歩いていない程度に、
ゆっくりとしたジョギングで戻るようにしてください。
上り坂が膝などへの負担を軽減する一方で、
反対に、
下り坂ではそういった関節部分への負担が増してしまうからです。
「それなら、歩いた方が良いんじゃないの?」
と思うかもしれませんが、
完全に歩いてしまった場合、
呼吸がすぐに整ってしまうため、
心肺に十分な負荷をかけられなくなってしまいます。
- 膝などの関節部分への負担を軽減する
- 心肺に十分な負荷をかける
といった点に考慮して、
ギリギリまでスピードを抑えたジョギングで坂を下りるようにしましょう。
3:上記の「1・2」を繰り返す
上記で説明した「1・2」のやり方で、
坂の上り下りを3〜10往復ほど繰り返してください。
最初は少ない本数から始めて、
トレーニングに慣れてきたら徐々に本数を増やしたり、
距離を伸ばしたりして、少しずつ負荷を高めていきましょう。
必ずしもトレーニングのたびに、
「負荷を上げなければならない」
といったことではありません。
じっくり焦らずに、無理のないペースで
継続してトレーニングをおこなうようにしましょう。
継続のコツとして、
どのくらいの距離で何本走れたのかを、
ノートやスマホ、パソコンなどに記録していくことをおすすめします。
自分の成長の様子を、目で見て確認できるため、
モチベーションアップUPに繋がります。
4|坂ダッシュトレーニングをおこなう際の【注意点】
坂ダッシュトレーニングをおこなう回数は、
なるべく週に1〜2回、
多くても3回までにしておきましょう。
スピード系トレーニングによって、
ダメージを負った筋肉が完全に回復するまでには
24〜48時間ほどの時間が必要だからです。
筋肉が回復していない状態で、
坂ダッシュトレーニングのようなハードな練習を連続しておこなった場合、
そのことが原因で大きなケガに繋がってしまう危険性もあります。
ケガから身を守るためにも、
適度な休息をとり、筋肉をしっかり回復させた状態でトレーニングに臨むようにしましょう。
僕の過去の練習スケジュールを例にすると、
坂ダッシュトレーニングを
平日に1回・土日のどちらかに1回
週に2回おこなうようにしていました。
<一週間の練習スケジュールの例>
- 月曜日:休み
- 火曜日:ジョギング
- 水曜日:坂ダッシュトレーニング
- 木曜日:休み
- 金曜日:ジョギング
- 土曜日:坂ダッシュトレーニング
- 日曜日:ジョギング
筋肉を回復させるための時間をしっかり確保していたため、ケガに悩まされることなく練習を積み重ねることができました。
【ランニング練習法】坂ダッシュトレーニングについての「まとめ」
この記事では、
- 最近タイムが伸びない…
- もう一度、自己ベストを出して成長の喜びを感じたい
- そのために必要なトレーニング方法が知りたい
と悩んでいる
初心者〜中級者のランナーの方にオススメな練習方法の、
「坂ダッシュトレーニング」
について詳しく解説してきました。
簡単にまとめると、
坂ダッシュトレーニングのような、
【スピード系トレーニングから得られる効果】は3つあります。
- 心肺機能の強化
- 筋力アップ
- 効率の良いフォームの習得
また、
【上り坂を利用するメリット】としては2点挙げられます。
- 「故障のリスク」を軽減できる
- 「気軽」にトレーニングがおこなえる
【坂ダッシュトレーニングの具体的な方法】としては、
- 距離と傾斜がちょうどいい坂道を見つける
- ダッシュは全力疾走ではなく、7〜8割の力で軽やかに坂を上る
- ギリギリ歩いていない程度までスピードを抑えたジョギングで坂を下りる
- 「②・③」を3〜10回繰り返す
【おこなう際の注意点】は、
ケガを防ぐためにも、
- 坂ダッシュトレーニングの回数は、なるべく週に1〜2回、多くても3回ぐらいまでにする
ということが大切です。
坂ダッシュトレーニングは、
身体を強化する以外にも、
坂道を利用することで、
ケガのリスクを抑えたり、
練習機会の損失を防いだりすることができます。
無理のない範囲で練習スケジュールを組み、
自分のペースで焦らずトレーニングを積み重ねてください。
そうすれば必ず、今の自分の殻を破り、
自己ベストを更新することができるはずです。
僕は記録に挑むことだけが、ランニングのすべてだとは思っていません。
しかし、
目標に向かって努力することは人生にやりがいを与えますし、
自己ベストを達成したときに得られる、喜びや感動、大きな自信は
人生においてかけがえのないものだと思っています。
記事を読んでみて興味をもったという方は、
ぜひ普段の練習メニューの中に、
「坂ダッシュトレーニング」を取り入れてみてはいかがでしょうか。