皆さんは、マラソン用語の「サブ5」という言葉をご存知ですか?
サブ5を訳すと、「サブ」=未満、「5」=5時間。
つまり、「フルマラソン5時間切り」を意味します。
フルマラソンに興味のある方で、サブ5を目標にしている人も多いのではないでしょうか。
しかし、
- 「どんな練習が必要なの?」
- 「挑戦したいけど、練習できる時間が少ない…」
そんな悩みを抱えていませんか?
この記事では、それらの問題を解決すべく「週2回の練習で、サブ5を達成させる方法」について説明します。
- サブ5を達成したい方
- 仕事や家事で忙しく、練習時間が限られている方
- サブ5の「難易度」
- 必要なトレーニングの「目安」
- 練習の「コツ」
- 週2回の具体的な「練習メニュー」
- レース本番での「走り方」
自身、かつてはフルマラソンを走り切るのもままなりませんでした。
しかし記事の内容を実践してからは、完走とサブ5を一気にクリア。
元々、「陸上競技の経験のない」自分だからこそ伝えられる、再現性の高い方法を紹介していきます。
サブ5を目指す、市民ランナーの方におすすめの内容になっています。
ぜひ参考にしてみてください。
サブ5の難易度
まずはサブ5の「難易度」について説明します。
フルマラソン完走者のなかに占める、サブ5達成者の割合は、男女を含め「約半数」といわれています。
サブ5は「km/7:06」のペースで走れば達成できるタイムのため、「インターバル走」のようなスピード特化型のトレーニングは必要ありません。
むしろフルマラソンを、歩かずに走り切れるスタミナさえあれば、誰でも達成できる目標と言えます。
フルマラソンに挑戦する際、「一度も歩かずにゴールしたい!」と思っているランナーの方は多いはずです。
フルマラソンサブ5は、そういった目標を掲げる人にとっても、「ちょうどいい」タイム設定になると思います。
サブ5達成の目安
サブ5を達成するために必要な、「走力」、「練習期間」、「月間走行距離」の目安について説明していきます。
「km/6:45」のペースで「30km」走れればOK!
サブ5達成に必要な、「走力」の目安を説明します。
結論から言うと、「km/6:45」のペースで、「30km走」をクリアできていればOKです。
km/7:06のペースで走っても、サブ5は達成できます。
しかし、レース本番を意識して、給水やトイレ、足が攣った場合などに備え、少し余裕をもたせた「km/6:45」のペースで走れていた方が安心です。
また、練習の時点で「30km走」をおこなえるだけの体力があれば、「スタミナ不足」の心配はありません。
僕自身、大会前に「30km走」をおこなっているときは、多くの場合で、フルマラソンを歩かずに走り切れています。
「3〜6ヶ月」の練習期間が必要
サブ5クリアに必要な、「練習期間」の目安は3〜6ヶ月ほどです。
具体的には、ハーフマラソンを完走した経験のある方であれば「3ヶ月」。
ランニング初心者の方だと、早くても「6ヶ月」といったところです。
ランニング初心者の方の場合、まずは3ヶ月でハーフマラソンを走れる力を身につけましょう。
そのあとで、もう3ヶ月かけてサブ5に向けたトレーニングをおこなうようにしてください。
「ハーフマラソンを3ヶ月で完走する方法」については、こちらの記事がおすすめです。
練習メニュー以外にも、「大会の選び方」や、練習に対する「モチベーションを上げるコツ」についても、詳しく説明しています。
“ハーフ”だけでなく、フルマラソンにも役立つ情報が載っていますので、ぜひ参考にしてみてください。
月間走行距離の目安は「100〜120km」
サブ5を達成するために必要な「月間走行距離」の目安は、「100〜120km」ほどです。(週に換算すると25〜30km)
それより短い距離でも達成できる人はいますが、稀です。
元々長距離走が得意であったり、学生時代に陸上部に所属していたりといった方であれば、問題ないかも知れません。
しかしあくまで「ランニング初心者」の場合、サブ5を達成するには月/100〜120kmの練習量はあった方が無難です。
むしろフルマラソンを走るうえで、月/100〜120kmの練習量は少ない方です。
そこで、少ない練習量でもサブ5を達成できる「練習のコツ」について、次で説明していきます。
サブ5に向けた練習のコツ
サブ5達成に必要な、「練習のコツ」を紹介します。
先に答えを言うと、一度にまとまった距離を走る、ということが重要です。
仮に、週/30kmのランニングをおこなったとしましょう。
その場合「10km×3回」より、「20km×1回・10km×1回」という練習メニューの方が、フルマラソンには効果があります。
フルマラソンでは42.195kmを、ぶっ通しで走らなければいけません。
たとえ同じ練習量でも、10km以下の距離をいくら走り込んだところで、「実戦向きのスタミナは身につかない」というわけです。
それより、練習頻度を減らす代わりに、一度に20km以上の「ロング走」(長距離を走るトレーニング)をおこなった方が、レース本番では役に立ちます。
週2回の練習には、「時間の確保がしやすい」というメリットのほかに、「トレーニングの質を重視できる」といった狙いもあります。
【1ヶ月目】の練習メニュー
それでは具体的な練習メニューの紹介に入りたいと思います。
練習1ヶ月目では、フルマラソンを走るために必要な「スタミナ」を重視したトレーニングをおこなっていきます。
「ジョグ」+「LSD」
週2回の練習メニューは以下のとおりです。
「LSD」とは、Long(ロング)、Slow(スロー)、Distance(ディスタンス)の略です。
週1回のLSDを練習のメインとし、ジョギングは「コンディションの調整」をイメージして走りましょう。
LSDのメリット
LSDをおこなうメリットをまとめました。
- 高い脂肪燃焼効果(長時間のランニングにより、身体の「脂肪」をより多く燃焼させることが可能)
- 持久力の向上(「毛細血管」を発達させる効果があり、それによって全身に運ばれる血液の量が増し、持久力UPに繋がる)
- 初心者でも実施しやすい(ゆっくり走るだけでいいので、練習に対する「心理的ハードル」が低い)
LSDをおこなうことで、フルマラソンに必要な「基礎体力」が身につきます。
LSDは、ロング走に「慣れる」といった意味でもオススメです。
LSDに関する、より具体的なやり方についてまとめた記事を用意しています。
よければ参考にしてみてください。
【2ヶ月目】の練習メニュー
2ヶ月目の練習では、サブ5達成に必要な「スピード持久力」を意識したトレーニングをおこなっていきます。
「ジョグ」+「ペース走」
具体的な練習メニューは以下のとおりです。
ジョギングに関しては1ヶ月目と同様、次のペース走までの「調整」だと思って、リラックスして走りましょう。
ペース走のメリット
ペース走をおこなうメリットをまとめました。
- スピード持久力が鍛えられる(サブ5に必要なスピードと、それを維持するためのスタミナを同時に鍛えることができる)
- ペース感覚が身につく(一定のペースを維持して走れるようになると、無駄なペースの上げ下げがなくなり、体力の温存に効果がある)
ペース走は、サブ5達成のための「メイン」となるトレーニングです。
LSDに比べると走るのがキツくなりますが、頑張りどころです。
週1回のペース走を「確実」におこないましょう。
【3ヶ月目】の練習メニュー
ラスト3ヶ月目の練習では、レース本番を意識して「30km走」を実施します。
「ジョグ」+「30km走」
「30km走」は身体への負荷が大きいです。
レース本番に疲れを残さないためにも、大会の2週間前までに「1回だけ」おこないましょう。
具体的な練習メニューは以下のとおりです。
30km走をおこない、サブ5への「自信」を手に入れましょう。
「練習で30km走は、ちょっとやり過ぎじゃない?」と感じている方も多いと思います。
そこで30km走の重要性について、少し説明を加えておきます。
30km走の重要性
皆さんは、「30kmの壁」という言葉をご存知ですか?
フルマラソンでは、30kmを越えたあたりから、急にスタミナが切れたり、足が動かなくなったりすることが多く、そのように例えられています。
壁にぶつかる原因のひとつに、30kmの距離に対する「経験不足」が挙げられます。
市民マラソン大会において、「10km」や「ハーフマラソン」といった種目はよく見かけますが、「30km」のレースが用意されている大会は珍しいです。
そのため、“ハーフ”以上の距離を一度も経験せずに、いきなりフルマラソンに挑戦するランナーの方も多く、慣れない30km付近から「ガス欠」を起こしてしまうわけです。
そうならないためにも、フルマラソンに参加する際には、練習で「30km走」をおこない、“壁”を事前に体験しておくことが重要と言えます。
LSDとペース走をしっかり積み重ねていれば、30km走も必ずクリアできます。
ハードルが高く感じるかも知れませんが、思い切って挑戦してみましょう。
レース本番での走り方
サブ5達成に役立つ、レース本番での「走り方」について説明します。
身につけた実力を出し切るためにも、しっかり覚えておきましょう。
km/6:45のイーブンペースでOK
サブ5を達成するには、スタートからゴールまで「イーブンペース」で走ることがおすすめです。
イーブンペースとは、一定のペースを守って走ることをいいます。
具体的には、練習どおり「km/6:45」のペースを守って走ればOKです。
イーブンペースのメリットとしては、ペース管理がラクなことが挙げられます。
ペースの変化を意識せずに走れるので、初心者の方でも実践しやすい方法です。
マラソンは長期戦です。後半に体力を残しておくことが「歩かずに」走り切るためのポイントです。
自分に合ったペーサーを見つける
マラソンでは、自分に合った「ペーサー」を見つけて走るのがおすすめです。
レース中、10km、20kmと走っていくなかで、「ずっと一緒に走っている気がする…」というランナーを見つけることがあります。
おそらくそのランナーの方も、自分と同じkm/6:45のペースを守りながら走っている可能性が高いです。
そういった場合、うしろに「付いていく」だけで、走るのがとてもラクに感じるはずです。(おそらく自分のうしろにも誰か付いてきているはずw)
たまに時計を確認し、ペースに変化があったときは、別の「ペーサー」を見つけて再びあとを追うようにしましょう。
自身のエピソードとして、レース終盤まで、ずっと同じペースで走っていたランナーの方に、「あと少しでゴールだから頑張りましょう!」と声をかけてもらったことがあります。
マラソンは個人競技ですが、ある意味「独り」ではありません。周りのランナーの走りは、大きな励みになります。
まとめ
この記事では、週2回の練習でサブ5を達成する方法について詳しく説明してきました。
最後に、記事の内容をおさらいしてみましょう。
- フルマラソン完走者の「約半数」が達成
- 「歩かずに」完走できれば誰でも達成できる
- 「走力」(km/6:45のペースで30km走をおこなえる実力が必要)
- 「練習期間」(ハーフマラソン経験者で3ヶ月、ハーフ未経験者は6ヶ月)
- 「月間走行距離」(月/100〜120km)
- 「一度に、まとまった距離を走る」ということが大事
- 1ヶ月目「ジョグ+LSD」
- 2ヶ月目「ジョグ+ペース走」
- 3ヶ月目「ジョグ+30km走(※一回のみ)」
- km/6:45の「イーブンペース」がおすすめ
- 自分と同じペースで走る「ペーサー」を見つける
フルマラソンサブ5は、練習のコツを押さえれば、誰でも「週2回」のランニングで達成できます。
「なかなか練習時間がとれない…」といったランナーの方でも、まったく諦める必要はありません。
フルマラソンを歩かずに完走したときの、充実感や達成感というのは、「一生の思い出」になるはずです。
フルマラソンやサブ5に挑戦したいという方は、ぜひこの記事の内容を参考に、練習に取り組んでみてください。
PS.
記事内で紹介しきれませんでしたが、長距離を飽きずに走るテクニックとして、音楽の活用が極めて有効に感じます。
手軽に実践できる方法なので非常におすすめです。
自分が実際に使用する「ランニング用イヤホン」や「音楽アプリ」について詳しく解説した記事も用意しています。
よければ参考にしてみてください。