ランニングに「筋トレ」って必要なの?
ランナーのなかに、そのような疑問をもつ方は多いのではないでしょうか?
結論を言うと、筋トレの実施はランニングに大きなプラスです。
この記事では、ランニング初心者でも手軽に実践できる「効率的な筋トレメニュー」を2つ紹介します。
- ラン×筋トレの「メリット」
- 具体的な「筋トレメニュー」
- 筋トレを実施すべき「タイミング」
- 筋トレ後の「ケア方法」
自身、ランニングを10年続けるなかで、さまざまな筋トレメニューを試してきました。
そのなかからランニングに効果があり、誰でも取り組みやすい筋トレメニューを厳選。
今回紹介するメニューは、すべて自宅でおこなえる内容になっています。
また道具を一切必要としない方法ばかりなので、記事を読み終えたあとに、すぐにでも実践可能です。
ランニング初心者の方は、「ランニング」に「筋トレ」を組み合わせて、さらなる走力アップを目指していきましょう。
「ラン×筋トレ」3つのメリット
ランニングに筋トレがもたらす、具体的な「メリット」を3つ紹介します。
①ケガの予防
筋トレは、「ケガの予防」に効果的です。
とくに膝を守るうえで、重要な役割を果たします。
ランニングにおける、着地の衝撃の強さは、自重の約3倍。
その分、膝に加わる負担は大きく、「膝痛」に頭を悩ませるランナーの方も多いです。
しかし脚に十分な筋力が備わっていれば、膝に対するダメージを軽減することができます。
筋トレは、そのために必要な筋力の強化に役立つというわけです。
②持久力UP
筋トレには「持久力UP」の効果もあります。
その理由としては、筋肉中の筋グリコーゲンの貯蔵量が高まるから。
筋グリコーゲンとは糖の一種で、脂肪に比べて体内に蓄積できる量が少ないという特徴があります。
「ランニングなどの有酸素運動では、脂肪がエネルギーに使われるから、糖は関係ないのでは?」
と思った方もいるかも知れません。
しかし脂肪を燃焼させるにも、結局は糖の存在が欠かせません。
たとえば、体内に蓄えられた脂肪のエネルギー量は、フルマラソンで消費するカロリーをはるかに超えています。
にも関わらず、フルマラソンを走っているときにガス欠が起こるのは、先に糖が枯渇してしまっているからです。
つまり長時間運動し続けるには、いかに体内の「糖」=「筋グリコーゲン」の貯蔵量を高められるかが重要だと言えます。
筋トレをすることで筋グリコーゲンの貯蔵量が高まり、ランニングの持久力UPが期待できます。
③フォームの改善
筋トレはランニングフォームの改善にも役立ちます。
ランニングでは、いかにキレイなフォーム(正しい姿勢)で走れるかが重要です。
姿勢が良いと、着地の際、地面からの反発(エネルギー)をしっかり活かすことができ、効率的なランニングが可能になります。
しかし腹筋や背筋といった、身体を支えるための筋力が不足した状態では、正しい姿勢を維持できません。
筋トレによって、ランニングだけでは鍛えにくい、上半身の筋肉を強化することが可能。
その結果、姿勢が安定し、フォームの改善に繋がります。
下半身の筋トレメニュー|ランジ
それでは今から、具体的な筋トレメニューの紹介に移りたいと思います。
1つ目に紹介する筋トレメニューが「ランジ」です。
ランジは下半身を鍛えることができるトレーニング方法です。
ランジをおすすめする理由や、それによって鍛えられる部位、やり方の手順について説明していきます。
ランジがおすすめな「理由」
下半身の筋トレメニューのなかでも、ランジをおすすめする理由をまとめました。
- 鍛えた筋肉をムダなく走りに活かせる(ランジの動作は、実際のランニングの動きと似ているため、走りに直結する筋肉を鍛えられます)
- 鍛えられる筋肉の範囲が広い(走るために必要な、下半身の筋肉を網羅的に鍛えられます)
- 股関節の柔軟性UP(ランジの動きは、股関節に対するストレッチ効果があります)
ランジひとつで、下半身の筋トレメニューを何種類もこなす必要がなくなります。
時短効果が見込めるので、スキマ時間で“サクッ”とトレーニングをおこなうことが可能です。
ランジで鍛えられる「筋肉部位」
ランジで鍛えられる筋肉部位や、その部位の特徴を詳しくまとめました。
「ランジ」を覚えておくと、筋トレメニューの「組み合わせ」にも悩まなくて済むので、筋トレ初心者におすすめです。
ランジの「やり方」
ランジをおこなう際の、具体的な手順について説明します。
- 背すじを伸ばして真っ直ぐに立つ(両手は腰にあてる)
- 左右どちらかの脚を、大きく一歩踏み出す(このとき、つま先の向きと、膝の向きを揃える)
- 踏み出した脚の膝を曲げて、腰を落としていく(膝がつま先より前に出ないように注意)
- 踏み出した脚の、膝の角度が90°になるぐらいまで曲げたところでストップする
- ストップした状態で2〜3秒キープ(太ももや、お尻の筋肉に効かせることをイメージ)
- 踏み出した脚で地面を蹴るようにして、元の姿勢に戻る
ここまでの動作で1回です。
あとは左右の脚を入れ替えながら、各10回を目標に取り組んでみましょう。
身体がトレーニングに慣れてきたら、「回数」や「セット数」を増やすなどして、徐々に負荷を上げてみてください。
インターバルを短くすることで、低強度のトレーニングでも、しっかり追い込んで筋肉に負荷をかけられます。
(※)セット間の「休憩時間」のこと
上半身の筋トレメニュー|プランク
2つ目に紹介する筋トレメニューが「プランク」です。
プランクとは上半身、特に腹筋などの体幹部分を鍛えられるトレーニング方法のことです。
おすすめの理由や、鍛えられる部位、やり方の手順について説明していきます。
プランクがおすすめな「理由」
上半身の筋トレメニューのなかでも、プランクをおすすめする理由をまとめました。
- 体幹部分を広く鍛えることができる(腹筋や背筋といった、姿勢の安定に役立つ筋肉を、一度に鍛えることが可能)
- インナーマッスルが鍛えられる(姿勢の保持に大きく関わるとされる、身体の深層部の筋肉を効率的に鍛えられる)
- 腰へのダメージが少ない(上体起こしや、下肢の上げ下げといった腹筋運動と違い、腰への負担が少ない)
プランクは「ポッコリお腹」の改善にも効果的です。
プランクで鍛えられる「筋肉部位」
プランクで鍛えられる筋肉部位や、その部位の特徴についてまとめました。
姿勢の改善には、腹筋と背筋、どちらも重要です。
プランクをおこなうことで、その両方がバランスよく鍛えられますよ。
プランクの「やり方」
プランクの具体的な手順についてみていきましょう。
- 床に対して、うつ伏せの姿勢になる
- 肘と前腕で身体を支えるようにして、腰を浮かせる(このとき、姿勢が頭からつま先まで一直線になるよう心がける)
- その姿勢を30秒キープする
慣れてきたらキープする時間を長くするか、回数を増やして、負荷を調節してみてください。
筋トレをおこなうときは、必ずしも限界ギリギリまで追い込む必要はありません。
少しキツイと感じる強度でも、十分筋トレの効果を得られます。
筋トレ実施のタイミング
筋トレを実施すべき「タイミング」について説明します。
ランニングと筋トレを連続しておこなう場合、大切になるのが実施する順番。
先に結論を述べると、筋トレは、「ランニングの前」がおすすめです。
その理由について詳しく解説していきます。
筋トレは「ランニングの前」がおすすめ
筋トレを「ランニングの前」に実施する、3つの利点について説明します。
- 脂肪の燃焼効果が高まる(脂肪が燃えだすまでに運動開始から30分ほど時間がかかります。先に筋トレをおこなうことで、脂肪を燃焼しやすい状態でランニングがスタートできます)
- 負荷がしっかりかけられる(筋トレには瞬発力が必要となるため、身体が疲れていないランニング前におこなうことで、しっかりと負荷をかけられます)
- 効率の良いフォームでランニングができる(筋トレによって、走るために必要な筋肉に刺激が入り、ランニング時にフォームを意識しやすくなる)
マラソン大会前、あえてランジやプランクをおこない、筋肉に「スイッチ」を入れるランナーも多いですよ。
ランニングと筋トレをセットでおこなう場合、順番を工夫するだけで、得られるメリットに差が生まれます。
筋トレをおこなうタイミングは、「ランニングの前」を意識してみましょう。
筋トレ後のケア方法
筋トレをおこなったあとの、「ケア方法」について説明します。
正しいケア方法を知ることで、筋トレの効果を最大限得ることが可能。
筋肉を回復させるうえで重要な、「栄養補給」や「休養のとり方」について詳しく説明していきます。
栄養補給には「プロテイン」がおすすめ
筋トレ後の、身体の栄養補給には、プロテインがおすすめです。
プロテインとは、タンパク質を主成分としたサプリメントのことです。
筋トレによりダメージを負った筋肉の修復に、「タンパク質」が欠かせません。
その際タンパク質は、なるべく早いタイミングでの摂取が望まれます。
具体的には、運動後30分〜45分以内のエネルギー補給が、もっとも身体への吸収率が高いとされ、通称「ゴールデンタイム」と呼ばれています。
ですが筋トレやランニング直後に、素早く食事を用意し、ゴールデンタイム内にタンパク質を補給するというのは、なかなか至難の業です。
そこで便利なのがプロテインの存在。
プロテインには、
- 持ち運びしやすい(常温保存が可能)
- 手軽に摂取できる
といったメリットがあり、トレーニング後、いつでもスピーディーな栄養補給が可能です。
ゴールデンタイムを逃すことなく、筋トレの効果を最大限に得たい方には、プロテインの活用がおすすめです。
「ランナーにおすすめなプロテイン」について詳しく解説している記事も用意しています。
気になった方はぜひチェックしてみてください。
「休養」のとり方
筋トレ後は、しっかり休養をとることが大事です。
筋トレにより、ダメージを負った筋肉が回復するまでに、少なくとも24~48時間程度の時間が必要だからです。
筋肉に疲労が残った状態で、再びトレーニングをおこなっても、筋トレの効果を十分に得られないばかりか、ケガのリスクまで増加してしまいます。
筋トレをおこなう場合、トレーニングと休養はセットで考えておきましょう。
真面目な性格の人ほど、オーバートレーニングに注意しましょう。
まとめ
この記事では、ランニングに役立つ筋トレメニューなどを詳しく紹介してきました。
記事の内容を振り返ってみましょう。
- ケガの予防(筋力を強化することで、膝への負担を軽減)
- 持久力UP(スタミナに大きく関わる、筋グリコーゲンの貯蔵量の増加)
- フォームの改善(姿勢が安定し、キレイなランニングフォームの維持が可能)
- ランジ(下半身を鍛えるトレーニング方法。ランニング動作に似ているため、筋トレの成果をムダなく走りに活かせる)
- プランク(上半身を鍛えるトレーニング方法。ランニングに重要とされる体幹部分の強化が可能)
- 脂肪の燃焼効果が高まる(ラン開始時、脂肪が燃えやすい状態でスタートできる)
- 負荷がしっかりかけられる(瞬発力を発揮できる状態で筋トレができる)
- 効率の良いランニングフォームで走れる(ランに必要な筋肉に刺激が入り、効率的なフォームを意識しやすくなる)
- 栄養補給が大切(手軽にタンパク質を摂取できるプロテインの使用がおすすめ)
- 休養も大事(トレーニングによって、ダメージを負った筋肉が修復するまでに24〜48時間ほど必要)
筋トレは、ランニングのレベルUPに役立ちます。
走力アップを目指すランナーの方は、ぜひこの記事の内容を参考に「ランニング×筋トレ」に挑戦してみてはいかがでしょうか。